年の始まりに体を整える、七草粥の話

年の始まりに体を整える、七草粥の話

新しい1年が始まりました。

年末年始はどのように過ごされましたでしょうか。

年の始まりは一度立ち止まり、体の声に耳を傾けるいい機会です。

そんな節目に受け継がれてきたのが、七草粥という習わしです。

 

七草粥は「お正月に食べ過ぎたから食べるもの」という印象を持たれがちですが、

漢方・養生の視点で見ると、乱れた体を無理に正すのではなく、やさしく立て直すための

食事だと考えられています。

年末年始は、

・食事の量や時間が不規則になる

・冷たい空気にさらされる

・人と会う機会が増える


など、体にとっては負担の多い時期です。

漢方では、こうした状態が続くと

胃腸の働きが弱り、気や血の巡りが滞りやすくなると考えます。

1月7日に食べる七草粥は、そんな体に「一度立ち止まって整えよう」と合図を送る養生食

として受け継がれていました。

 

七草粥に使われる春の七草は、栄養をたくさん補うための食材ではなく、

弱った体に負担をかけず、内側を整えるための草です。

ここからは七草それぞれが持っている効能と役割を紹介していきます。

 

〇せり

香りのある野草で、気の巡りを助け、滞りをほどく働きがあるとされます。

年明けの重だるさや、気分の切り替えに向いています。


〇なずな(ぺんぺん草)

体にたまった余分なものを外に出し、内側を掃除するような役割を担う草。

食べ過ぎが続いた後のリセット役です。

 

〇ごぎょう

乾燥しやすい冬に、のどや呼吸をいたわるとされる草。

年末年始に話す機会が多かった方にも。

 

〇はこべら

体を休ませながら、内側を落ち着かせる働きがあると考えられています。

疲れやすさや、ほてりが気になるときに。

 

〇ほとけのざ

苦味は控えめで、緊張をゆるめ、巡りを穏やかに整える役割。

年始の気持ちのざわつきにも寄り添います。

 

〇すずな(かぶ)

消化を助け、胃腸の負担を軽くする食材。

七草粥をやさしい味わいにしてくれます。

 

〇すずしろ(大根)

消化を助け、滞りを流す働きがあるとされ、

食後の重さを感じやすいときの心強い存在です。


七草粥はそれぞれこれらの役割を果たして居ますが、栄養をたくさん摂るためのものでは

ありません。

・よく噛む

・温かいうちに食べる

・腹八分目にする


それだけで、胃腸は少しずつ元のリズムを取り戻していきます。

七草粥を食べたからといって、体がすべて整うわけではありません。

しかし、「ここで一度、整え直そう」と意識すること自体が、養生の第一歩です。


終わりに

 

2026年も始まり、今年はどんな一年にしようか思いを巡らせている方も多いかと思いま

す。七草粥は、何かを頑張って始めるための行事ではなく、まずは体をいたわり、整った

状態に戻すための節目です。年始に少し立ち止まり、自分の調子に耳を傾けることも、立

派な養生だと私たちは考えています。

本年も、日々の暮らしの中で無理なく続けられる養生の考え方や、心と体をそっと整える

ヒントをお届けしてまいります。

皆さまにとって、健やかで穏やかな一年となりますように。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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